《飼料用米の取り組みについて》

  耕種農家・畜種農家、物流含む市場と消費の連携を密にし、事業ベースにのせた取り組みを行うために、飼料用米の生産と利用が必要となります。その体制が出来れば、水保全や土壌保全等・自給率向上の礎も確立されると思います。飼料用米の生産を行い、それを飼料原料の主体であるトウモロコシの代替えとして家畜・家禽の飼料に利用し、その生産から産出される畜糞と未利用資源(キノコの廃菌床など)を利用し堆肥の生産を行い、その堆肥で飼料用米の生産を行います。これらの取り組みで地域循環の仕組みを構築を進めています。


飼料用米とは…

 飼料用米とは、家畜の飼料として利用されるお米のことです。
飼料用米は、“多収性専用品種"といって、多収性に優れた品種が開発されています。多収性を重視しているので、外見、食味とも食用米と比べ、劣っている品種もあります。多収性専用品種には、国の委託試験などによって育成され、収量が多いことが確認された20品種と一般的な品種に比べて収量が多く、当該都道府県内で主に食用米以外の用途向けとして生産されているもの、かつ全国的にも主要な食用品種ではないもののうち、知事の申請に基づき地方農政局長などが認定した品種(特認品種)があります。徳島県では、“あきだわら”という品種が知事特認品種となっています。主食用米の代わる転作作物(大豆や麦、野菜など)の中では、飼料用米が主食用米の栽培体系と同じなので、転作しやすいということで、推奨されています。
飼料用米(玄米)は、輸入トウモロコシと同等な栄養価を持っているので、輸入原料高騰をきっかけに、輸入トウモロコシの“代替”として家畜の飼料として利用されています。飼料用米は、圧ぺんや粉砕をして家畜に給与します。(鶏の場合は、籾米のままでも給与可能。)飼料用米を給餌することで、肉質等に変化が見られ、牛肉・豚肉・鶏肉においては、肉の色味が変化したり、肉質、特に、脂肪酸の中のリノール酸が減少し、オレイン酸が増加することが確認されています。(オレイン酸が増加することで、動脈硬化の予防に貢献)また、卵においては、栄養価も通常の卵より高くなり、黄身の色が飼料用米の給与量が多くなるほど、薄く白っぽくなります。


● 飼料用米 利用のメリット ●
*飼料用米を耕種農家が作付け・収穫し、畜種農家が利用することで……
⇒ 耕作放棄地の有効利用(土壌保全)
⇒ 通常の稲作栽培方法と同じなので、取り組みやすい(転作しやすい&農機具の設備投資不要)   
⇒稲わらまで家畜の餌として有効活用できる
⇒ 大豆や麦とは違って、連作障害なし   
⇒国産飼料として利用(輸入飼料とは違い、非遺伝子組み換え(非GM)やPHFが担保されている)   
⇒ 飼料用米を給餌した家畜の肉質の栄養価が通常の肉質よりも高くなる(オレイン酸が増、リノール酸が減:動脈硬化を予防)
卵の栄養価も通常より高くなり、また黄身の色が薄く白っぽくなる。    


飼料用米の取り組み

当研究会会員の取り組み内容〜飼料用米編〜

  当研究会会員それぞれの立場から飼料用米を利用した取り組みを行っております。以下には、当研究会会員の取り組み内容を簡潔に記載しています。耕種農家、畜種農家、流通、市場それぞれが連携して取り組むことで、高付加価値ブランド作成、耕作放棄地の利用、自給率向上、環境保全などを目指します。

●飼料用米の生産・集荷 
  
 畜糞堆肥を利用して飼料用米の生産する取り組みを行っています。当研究会会員(耕種農家)を始めとし、徳島県下の米農家の方が飼料用米を生産していただき、出来た飼料用米は、各地域の単協、全農、その他集荷会社によって集められ、保管し、飼料会社や畜産農家へ配送されます。



●飼料用米を配合飼料へ
  
 集荷会社等で集荷された飼料用米は、一旦保管され、飼料会社へと配送されます。その配送された飼料用米は、飼料会社で配合され、飼料用米入りの配合飼料を製造し、各家畜農家へと送られます。
 ※飼料会社には送らず、農家及び、単協、全農、その他集荷会社より直接購入して、自社で直接飼料用米を配合する所もあります。(自家配合)



●飼料用米入りの配合飼料を家畜(豚・鶏)に給餌と飼料用米を給餌した高付加価値商品作り、市場への販売
  
飼料会社に製造していただいた、飼料用米入りの配合飼料を、家畜・家禽に給餌し、高付加価値の付いた商品(肉製品、卵製品等)作りを行っております。その商品を生協などの市場で販売しております。
 当研究会では、石井養鶏農業協同組合〔(株)イシイフーズ〕、(有)アサヒ〔旭商事(株〕、(有)石井養豚センター〔(株)ウインナークラブ〕などがこの取り組みを行っております。



  ※各会員の取り組みに関しては、リンク集より各会員のHPでご覧ください。


平成29年度米活用畜産物等ブランド展開事業

 
徳島耕畜連携型農業研究会は、平成29年5月31日に平成29年度米活用畜産物等ブランド展開事業の交付金決定致しました。6月より事業を開始しております。
事業の詳細等は、また後日、アップ予定です。






飼料用米生産に係る契約栽培について

▼ 徳島耕畜連携型農業研究会との飼料用米生産に係る契約栽培について ▼
・ 契約(協定)生産の条件は
 @ 圃場の生産物は契約面積の全量出荷であること
 A 主食用米圃場と隣接する圃場とから離れて、圃場ごとに区分した栽培をすること
 B 最低作付面積は50a 以上であることを原則とすること
 C 所得の向上を図るため収量の高い圃場や品種を選定すること
 D トレーサビリティ構築のために誓約書や栽培管理を提出すること
 E 当会員から提供の堆肥を活用すること
 F 契約期間は、5カ年以上とすること
 G 飼料用米価格については、前年第4四半期の輸入トウモロコシ価格を基に算定すること
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